好きなことを仕事にする危険性

好きなことを仕事にしたときに陥る危険性。

それはズバリ以下の3つ👇

・好きだから、客より自分を優先してしまう。

・好きだから、利益を後回しにしてしまう。

・好きだから、苦しくてもやめられない。


「好きなことをやっているんだから、儲けが少なくても我慢しなくちゃ」

そんな気持ちになってしまうこともあると思います。

キツイ言い方しますが、

利益がでてなければ、もはや趣味です。

だからといって、

「好きなことを仕事にするな!」 と言うわけでもありません。

むしろ「好き」は、使い方によってはものすごく強い武器になる。

では、どうすればいいのか?

有名な経営者やマーケターの考え方を調べてみると、そのヒントがありました。

目次

ゲイリー・ハルバート「何を売るかより、誰に売るか。」

彼のハンバーガー店の話は聞いたことあるんじゃないでしょうか。

彼が生徒たちに、こんな質問をしました。

「あなたがハンバーガー店を経営するとします。どんな強みが欲しい?」

生徒たちは、

「最高の肉」

「最高のパン」

「一番安い価格」

「良い立地」

などと答えます。

するとハルバートは、こう言いました

「私は腹を空かせた群衆がほしい」

……

どれだけ美味しいハンバーガーを作っても、腹を空かせた人がいなければ売れません。

逆に、目の前に腹を空かせた人が大勢いたら?

多少、他店より劣るところがあったとしても売れるでしょう。

そう、商品以上に、それを 欲しがっている「市場」を見つけること のほうが重要ということです。

これは「好き」を仕事にするときにも当てはまります。

「私はこれが好き」

「これを作りたい」

「こんなサービスをやりたい」

そこから始めてしまうと、

自分が作りたいもの=売りたいもの

になってしまいます。

でも、その前に考えなくちゃいけない。

それを欲しい人はいるの?

セオドア・レビット「商品を見るな。顧客の目的を見ろ。」

ある頃からアメリカの鉄道会社が成長できなくなりました。

人々は相変わらず移動していたにも関わらず。

原因は、鉄道会社が自分たちを「人を移動させる会社」ではなく「鉄道会社」だと考えてしまったから。

その間に、自動車や飛行機などが「移動」という需要を満たしていった。

レビットは、鉄道会社が「鉄道」という 商品を中心に考え、

「輸送」という 顧客の需要を中心に考えなかった ことを問題にしました。

これも「好き」と置き換えることができます。

パンが好きだから、パンを作る。

服が好きだから、服を作る。

それ自体は悪くありません。

でも、

お客さんは、それが欲しいの?

もっと言えば、

お客さんは、それによって何をしたいの?

ここを忘れてしまうと「好き」が視野を狭くしてしまいます。

クレイトン・クリステンセン「商品ではなく、客の『用事』を解決する。」

あるファストフード店が、ミルクシェイクの売上を伸ばそうとしていました。

そこで顧客に好みを聞き、商品を改善します。

でも、売上や利益はほとんど変わりませんでした。

そこでクリステンセンたちは、別の角度から調べました。

「なぜ、この人たちはミルクシェイクを買うの?」

観察すると、意外なことがわかります。

多くのミルクシェイクが朝早く、一人で来店した客に買われ、そのまま車に持ち込まれていました。

彼らには長く退屈な通勤時間があった。

片手で扱えて、時間をかけて飲めて、お昼前までお腹も満たしてくれる。

その「用事」には、バナナやドーナツ、ベーグルよりミルクシェイクが都合よかったのです。

つまり、ライバルは他店のミルクシェイクだけじゃなかった。

バナナもドーナツもライバルだった。

「ミルクシェイクをもっと美味しくしよう」

ではなく、

「お客さんは、何を解決するためにミルクシェイクを買っているんだろう?」

と考える。

商品ではなく、お客さんを見る。

これも「好き」を仕事にするとき、忘れてはいけない視点だと思います。

ピーター・ドラッカー「自分が作りたいものではなく、顧客が価値を感じるものを。」

ドラッカーもまた、「価値」を決めるのは企業ではなく顧客だという考え方を示しています。

売る側が、

「これは高品質です」

「こんなに手間をかけました」

「私はこれが素晴らしいと思います」

と言ったところで、

お客さんがそこに価値を感じなければ意味がありません。

ここにも「好き」の落とし穴があります。

好きなものほど、

「こんなに良いものなんだから、きっと欲しいはず」

と思ってしまう。

でも、

「私が好き」と「お客さんにとって価値がある」は別の話。

ここは分けて考えなくてはいけないんだと思います。

じゃあ、「好き」を仕事にしてはいけないの?

ここまで読むと、

「じゃあ、好きなことは仕事にしない方がいいの?」

と思ってしまいます。

でも、そうではありません。

商品の宣伝をやめたら、売上が10倍になった話

ここで1つ、私の身近にあった例を紹介。

実は主人のことなんです。

もともと、バイクパーツメーカーで設計・開発しており、数々のヒット商品を生み出しておりました。

でも

「もっとイイものが作りたい」

「もっと自由に設計したい」

という衝動から独立します。

まさに「好き」を仕事にしてる1人です。

独立当初は、SNSを使って自社商品の宣伝に力を入れていました。

ところが、なかなか成果につながりません。

1年続けて、フォロワーは約3,000人。

売上はというと、ぶっちゃけ残念な状況。

商品の良さや情熱を伝えようとするのですが、そもそも興味を持ってくれる人が少ない。

ここで私が3つの対案をします。

①ユーザーに有益な情報を公開する

②自社製品の紹介を一切しない

③毎日続ける

つまり、

「商品を売るのをやめよう」

と言ったんです。

主人が長年の設計・開発で培ってきたノウハウは、バイクユーザーにとっては宝の山。

それを惜しみなく公開してもらいました。

すると…

半年ほどでフォロワーは2万人を突破!

売上はなんと10倍に!

これは、ゲイリーハルバード風に言うと

「商品を売るのをやめて、市場をつくった」

ということです。

SNSを「商品を売る場所」から「情報が集まる場所」に変えたわけです。

結果、人が集まり、商品も売れるようになりました。

では、再度マーケターの話に戻します。

ここまで「好き」を仕事にする危険性をいろいろ書いてきました。

でも最後は、ちょっと逆の話。

「好き」は、条件さえ揃えば最強の武器になるんです。

ジム・コリンズの「ハリネズミの概念」

コリンズは飛躍した企業が理解していたものとして、3つの円を示しています。

・情熱を持てること

・世界一になれること

・経済的原動力になること

そして、この3つが重なるところを理解することが重要だとしています。

個人の仕事として、もっと簡単に言ってしまえば、

情熱 × 得意 × 利益

そう、コリンズは「好き」を3つの円の一つとして入れてるんです。

つまり、

「好き」を仕事にすることが危険なのではなく、

「好き」だけで仕事にすることが危険なんです

好きなことで、

人より得意で、

ちゃんと利益も生み出せる。

この3つが重なる場所を見つけられたら、

「好き」は弱点どころか、

最強に化けるのかもしれません。

……

ちなみに、小説家・徳冨蘆花を描いた作品には、

「食べるために小説を書くのではない。小説を書くために食べるのだ」

というセリフがあります。

「食べるために働く」のではなく「働くために食べる」

つまり「やりたい仕事をするために食べる」

これ、けっこう深い話だと思うんですよね。

でも長くなりそうなので、それはまたの機会に。

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