先日、ちょっと気になる記事を見つけました。
ブルーカラー職の5人に1人が、元ホワイトカラー だというのです。
つまり、デスクワークから現場仕事へ転身する人が一定数いるということです。
しかも、その理由のひとつが「AI」。
AIに仕事を奪われることを心配して、現場仕事を選ぶ人もいるようです。
でも、ちょっと待って。
ブルーカラーなら、本当にAIに仕事を奪われないのでしょうか?
約5人に1人がホワイトカラーから転身
レバレジーズの調査の結果、ブルーカラー職に就いた経緯は以下のとおり。
| 他の現場職から転職 | 45.2% |
| 新卒で入社 | 31.5% |
| ホワイトカラーから転職 | 20.4% |
約20%、5人に1人の割合です。
さらに興味深いのが、ブルーカラーを選んだ理由。
「AIに代替されにくい安心感があるから」
と回答した人は全体で6.5%。
20代に限定すると14.5% にもなるんです。
若い世代ほど、AIによる仕事の変化を不安視しているのかもしれません。
転身のメリット・デメリット
ホワイトカラーからブルーカラーに転身すると、こんなメリット・デメリットがあるようです。
| メリット | デメリット |
| AIに代替されにくい仕事を選べる | 想定より給与が低い場合がある |
| 段取りや報告・連絡など、前職の経験を生かせる | 体力が必要 |
| デジタル機器を扱うスキルが武器になる | 技術習得に時間がかかる |
| 現場で新しい専門技術を身につけられる | 「見て覚えろ」という教育環境が残っている |
| 技術を高めれば戦力になれる | 転職後すぐに高収入を得られるとは限らない |
※関連記事を参考に、一般的なメリット・デメリットを整理したものです。
ここで私が気になったのが、メリットの3つ目。
「デジタルスキルが武器になる」
ホワイトカラー時代に身につけたデジタルスキルが、いつまでも武器になるとは限らない。
そのうち、デジタルの進歩についていけなくなるのでは?
もっとも、そのころには現場で専門技術を身につけ、一人前になっているかもしれません。
つまり、デジタルスキルが古くなる前に、現場の専門技術という新しい武器を手に入れるのが必須。
まぁ、考えてみれば、それは新卒だって、ホワイトだって同じことですね
ブルーはAIの影響を受けないのか?
最近、トヨタではELEY(エリー)と呼ばれるロボット開発が進んでるようですね。
トヨタでは、長年の経験によって高度な技能を身につけた熟練技能者を「匠」と呼んでいます。
そして今、そうした 匠の技能をAIやロボットに継承させる研究も進められています。
つまり、これまで熟練技能者にしかできなかった仕事まで、AIが担う時代が近づいているのかもしれません。
ブルーカラーを選ぶ理由の中にあった「手に職」という回答。
その「手に職」さえ、AIに奪われる可能性がある ということです。
もちろん、現時点で匠の仕事がロボットに置き換わったわけではありません。
一方で、コンビニ業務のすべてをロボットに置き換えるのは難しいといわれています。
コンビニ店員は、熟練技能者のような高度な専門技術を必要とする仕事ではないはずなのに。
なぜでしょう?
レジ、品出し、清掃、接客など、コンビニ店員の仕事は実に多彩。
一つひとつは比較的簡単に見えても、すべてをロボットに任せるとなると話は別です。
さらに、ロボットの導入費用や維持費が人件費を上回るのであれば、経済的にも導入するメリットがありません。
高度な技能が必要な仕事はAIに置き換わり、比較的簡単な仕事は人間が続ける。
なんだか不思議な話ですよね。
仕事の難しさとAIによる代替の難しさは、必ずしも一致しないということです。
AIを使えるかどうかで分かれる?
そもそも、ホワイトカラーとブルーカラーという区分自体が、これから変わっていくのかもしれません。
例えば、こんな4つの分類。
| AIネイティブ・ホワイト | レガシー・ホワイト |
| AIネイテイブ・ブルー | レガシー・ブルー |
※これはあるセミナー講師の考えるもので、一般的な職業区分ではありません。
営業職・事務職どちらもホワイトカラーです。
でも、AIによる自動化が進みやすいのは、データ入力や書類作成などの定型的な事務作業でしょう。
もちろん、営業職でも資料作成や顧客分析などにAIを活用できます。
同じホワイトカラーでも、仕事内容によってAIとの相性は違うわけです。
これからは、ホワイトカラーかブルーカラーかという区分に加え、AIを活用するかどうかでも分かれるのかもしれません。
もちろん、AIを使わない仕事に価値がないという意味ではありません
結局、どんな職種にもAIやデジタル技術が入り込む可能性はあるという話です。
AIに仕事を奪われると考えるか、AIを仕事に生かそうと考えるか。
その違いが、これからの働き方を大きく変えるのかもしれません。
実は、こんなにもカラフル!
ここまでホワイトカラーとブルーカラーについて書いてきましたが、ふと疑問が浮かびました。
「ウチの主人って、どっちなんだろう?」
主人はバイクのレース部品を設計しています。
仕事の流れはこんな感じ。
① AIによる構想
↓
② CADを使って設計
↓
③ 工作機による試作
↓
④ 車輛へのセッティング
↓
⑤ 試乗テスト
↓
⑥ メーカーとの打ち合わせ
普段はデスクワークが中心ですが、作業着で加工やテストをすることも。
ときには、パリッとした格好で打ち合わせすることもあります。
これをAIに尋ねたところ…
「専門性でゴールド、働き方でグレー」
って回答だった。
えっ、いったい何色あるの?
調べてみると、職業を色で分類する呼び方は、ブルーとホワイト以外にもあるようです。
| ブルーカラー | 製造、建設、整備、運送 | 現場での作業が中心 |
| ホワイトカラー | 事務、管理、企画、営業 | オフィス業務が中心 |
| グレーカラー | 技術者、現場管理者 | 現場と事務・技術業務の両方を担う |
| ピンクカラー | 看護、保育、接客 | 伝統的に女性が多かった職種 |
| グリーンカラー | 再生可能エネルギー、環境保全 | 環境に関わる仕事 |
| ゴールドカラー | 研究者、高度専門職 | 高度な知識や専門技能を持つ |
| ニューカラー | IT技術者、技術系専門職 | 学歴より実践的なスキルを重視 |
| レッドカラー | 公務員など | 国や地域によって意味が異なる |
※これらは厳密な統一基準ではなく、複数の分類に当てはまる職種もあります。
こんなにもカラフルだったんですね。
考えてみればそうですよね。
これだけ多様な仕事を、たった2色で分けるのは無理な話かもしれませんね(笑)