「これからはAIを使いこなせるか」
「AIを使いこなせるかどうかで…」
そんな声を最近よく耳にします。
では、AIを使いこなすとは、どういうことでしょうか。
AIは、何をもって「使いこなす」と言うのでしょうか。
実は「AIを使いこなす」に、明確な定義はありません。
ただ、仕事で使うということなら、かなりシンプルに考えられます。
「自分の目的を達成するために、AIを適切に使えること」
重要なのは、AIの機能をたくさん知っていることではありません。
たとえばChatGPTなら、
- 何ができるかを理解している
- 必要な情報や条件をAIに渡せる
- 出てきた答えが正しいか判断できる
- ダメなら指示を変えて修正できる
- 最終的に仕事の成果につなげられる
ここまでできれば「使いこなしている」と言っていいと思います。
極端な話、ChatGPTの機能を10%しか知らなくても、仕事に必要なことをAIで実現できているなら、OK!
十分使いこなしています。
逆に、100種類のAIサービスや最新機能を知っていても、仕事に活かせていなければ「AIに詳しい」だけ。
そして「使いこなす」ために重要なのが、次の4つです。
① AIの得意・不得意を理解する
② 必要な情報・指示を与える
③ 目的に合わせて使い方を変える
④ ハルシネーションを受け入れる
では、ひとつずつ見ていきましょう。
AIの得意・不得意を理解する
● 得意なこと
・文章の作成・要約・整理
・アイデア出し
・大量の情報から共通点や傾向を探す
・比較・分類
・翻訳
・決められた条件に沿った処理
● 不得意なこと
・正解が存在しないことの最終判断
・本人にしか分からない意図や感情の把握
・情報が足りない状態での正確な判断
・現場を見なければ分からないこと
・結果に対する責任を負うこと
「全部AI任せ」ではダメ!
何をAIに任せ、何を人間がやるのかを判断できることも、「AIを使いこなす」の一つ。
必要な情報・指示を与える
AIは優秀でも、与えられていない情報まで正確に理解できるわけではありません。
たとえば、
「この文章を直して」
だけでは、
・誰が読むのか
・何のための文章なのか
・丁寧にするのか、親しみやすくするのか
・どこまで変更していいのか
ここまで分かりません。
だから、良い回答を得るには、AIが判断するために必要な材料を渡すことが重要です。
ただし、何でも細かく指示すればいいわけではありません。
分からないことなら、
「これをやりたい。どうすればいい?」
とAIに方法そのものを考えさせてもいい。
重要なのは、
上手なプロンプトを書くことではなく、AIが仕事をするために必要な情報を不足なく渡すこと。
目的に合わせて使い方を変える
たとえば文章を書く場合でも、
・ゼロから書いてもらう
・自分で書いて添削してもらう
・構成だけ考えてもらう
・アイデアだけ出してもらう
・事実確認だけしてもらう
など、使い方はいくつもあります
うまくいかないときは
指示を変える、資料を追加する、質問を分ける
さらには別のAIを使う。
| AI | 得意 | 苦手・注意点 |
| ChatGPT | 文章作成、相談、アイデア出し、分析、画像など幅広い用途に対応する万能型 | 専門用途では、他のAIのほうが向いている場合がある |
| Gemini | Googleサービスとの連携、Web検索、情報整理、長い資料の処理 | 用途によって回答の品質にばらつきがある |
| Claude | 長文の読解・文章作成、資料分析、コーディング | 外部サービスとの連携では、他のAIが便利な場合がある |
| Perplexity | Web検索・情報収集・出典を確認する調査 | 文章作成や幅広い作業では、汎用AIに劣る場合がある |
| Copilot | Microsoft 365との連携。Word、Excel、PowerPointなどを使った仕事 | Microsoft環境を使わない場合は、強みを活かしにくい |
※AIは更新が速く、モデルやプランによって得意分野も変わります。従って「絶対的な優劣」ではありません
場合によっては「AIを使わない」ことが最良の選択になることだってあるはずです。
決まった使い方にこだわらず、目的や状況に応じて最適な使い方を選べること。
ハルシネーションを受け入れる
webstylixハルシネーションとは、AIがもっともらしいウソをつく現象
単なる「間違い」と少し違うのは、存在しない人物・数字・出来事・出典などを、あたかも事実であるかのように作ってしまうことがある点です。
これを知らずにAIを使っていると、痛い目にあうことがあります。
「なんでウソつくんだよ!」
と腹が立つことにもなります(笑)
だから、まずは、
AIは、ときにウソをつくということを受け入れる。
なお、ハルシネーションをゼロにできませんが、かなり減らすことはできます。
1. 正しい情報を与える
AI自身の知識だけに頼らせず、「この資料を基に答えて」と、正しい情報を渡します。
2. 一次情報で確認する
金額、日付、人物の発言、法律、統計など、間違えると困る情報は、公式資料や原典まで確認する。



一次情報とは、調査、実験、インタビュー、公式発表など、情報源から直接得られる情報のこと。
二次情報とは、それらをもとに本やメディアなどでまとめられた情報を指します。
3. わからないと言わせる
「推測で補わない」
「確認できないことは断定しない」
といった指示を入れる。
4. 事実と推測を分ける
「確認できた事実」と「推測」を明確に分けて回答させる。
たとえば、
「孫正義のNVIDIAへの投資について教えて」
より、
「ソフトバンクの公式資料など一次情報を調べ、確認できた事実だけで説明して。不明な部分は推測しない」
のほうが、誤情報のリスクを減らせます。
つまり、
AIに正解を期待するのではなく「正解にたどり着ける環境」を人間が用意する。
3・4は、ChatGPTであればパーソナライズ(カスタム指示)にあらかじめ入れておく方法があります。
たとえば、
「不明なことは『分からない』と回答する。推測で事実を補わない。事実と推測を明確に区別する」
としておけば、毎回同じ指示を書く必要はありません。
まとめ:AIに詳しい人=AIを使いこなせる人ではない
必要なのは、この4つ。
| ① | 何を任せるか | AIの得意・不得意を理解して、この仕事をAIに任せるか判断する。 |
| ② | 何を渡すか | 目的・条件・資料など、必要な情報を与える。 |
| ③ | どう使うか | 指示や質問を分ける、別のAIを使うなど、目的に合わせて使い方を調整する。 |
| ④ | 回答をどう受け止めるか | 最後に、AIは間違えることを前提として、鵜呑みにせず、必要なものは確認する。 |
最新のAIや機能を、すべて知る必要はありません。
自分に必要なAIを、自分の目的のために使える。
それが、「AIを使いこなす」ということです。


