Google Workspaceの導入支援をしていると、
「最初はどの機能から使えばいいですか?」
と聞かれることがあります。
Gmail、Drive、Calendar、Chat……。
機能がたくさんあるので、当然の質問です。
でも私は、この質問には答えません。
むしろ、聞き返します。
「今、困ってることは?」
「今の仕事を、どうしたいですか?」
……
見積書を探す時間を減らしたい。
担当者が休んでも、ほかの人が仕事を進められるようにしたい。
予定を確認するためだけの電話やLINEを減らしたい。
現場から届く写真を、あとから探し回らなくていいようにしたい。
困ってること、やりたいことは会社によって違います。
であれば、使うGoogle Workspaceの機能も違ってきます。
また、必要ない機能まで覚えることはありません。
手段が目的になっては本末転倒です。
大切なのは、Google Workspaceを使いこなすことではなく、今の仕事を少しでも良くすること です。
この記事では、私がGoogle Workspaceの機能を選ぶ前に、どんなことを確認しているのかを書いてみます。
まず、今の仕事のやり方を確認します
たとえば、
「見積書を探すのに時間がかかる」
という話が出たとします。
ここですぐに
「では、Driveを使いましょう」
とは言いません。
「見積書をどこに保存してますか?」
「誰が探すことが多いですか?」
「なぜ見つからなくなるのですか?」
といった、仕事のやり方を確認します。
「担当者が休むと仕事が止まる」
のであれば、その人しか知らない情報は何か、どこにあるのかを確認します。
同じ「書類を共有する」という話でも、
探す時間を減らしたいのか、
誰でも続きをできるようにしたいのかで、
必要な仕組みは変わってきます。
仕事を速くすることが正解とは限りません。
今のやり方で うまくいってることを、変える必要はありません。
良いものは残し、困っているところだけ変えていけばいい と思っています。
一日の仕事を聞いていると、困っている場所が見えてきます
「特に困っていることはありません」
と言われることもあります。
そんなときは、一日の仕事を尋ねます。
朝、会社に来たら何をするのか。
注文が入ったら、そのあと誰に連絡するのか。
現場の写真はどうやって届くのか。
見積書を作ったあと、誰に確認してもらうのか。
そうやって話を聞いていると、
「ここ、毎回LINEで聞いていますね」
とか、
「この書類、○○さんのパソコンにしか入っていないですね」
とか、
「承認待ちで半日止まることがありますね」
といったことが少しずつ見えてきます。
本人にとっては、ずっと続けてきた「当たり前」なので、困っていることとして認識していないこともあります。
だから、会社全体の仕事を一気に整理しなくても大丈夫です。
まずは一つずつ。
「この仕事、もう少し楽になったらいいな」
と思う仕事を、始まりから終わりまで一緒に見てみます。
そこから考える方が、何を変えればいいのかも分かりやすくなります。
やりたいことが決まったら、そこで初めて機能を選びます
仕事の流れが分かってきたら、そこで初めてGoogle Workspaceの機能を考えます。
たとえば、見積書を探すことが多いなら、Driveの保存方法を見直すかもしれません。
予定を確認する電話が多いなら、Calendarを共有すると楽になるかもしれません。
現場から届く写真がバラバラなら、Googleフォームや共有ドライブを使った方がいい場合もあります。
やりたい仕事があって、そのために必要なら使う。
必要がなければ、今は使わない。
私はそれくらいでいいと思っています。
使う機能は会社によって違います
メールから変える会社もあれば、ファイル共有から始める会社もあります。
予定表だけ共有するところもあります。
最初は一つの仕事だけ変えて、慣れてから少しずつ広げる会社もあります。
大事なのは、
「この仕事、こうなったらいいな」
と思っていたことが、本当にそうなったかどうかです。
Google Workspaceに仕事のやり方を合わせるのではなく、
その会社の仕事にGoogle Workspaceを合わせていく。
Google Workspaceを覚えることから始める必要はありません。
まずは、
「今の仕事を、どうしたいか」
そこから始めてみるのがいいと思っています。